怪しい爺やのつれづれ日記

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help リーダーに追加 RSS 思いはいにしえに・野火止用水

<<   作成日時 : 2008/09/29 12:43   >>

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 都民なら誰でも知っている玉川上水。が、その分水「野火止用水」となると…。まずは、「何て読むねん?」、そして「どこにあるねん?」。聞けば、用水路沿いはジジババがヨ〜タヨタするには絶好のコースとか。こりゃぁ、玉川上水を全長踏破した爺やとしては、黙っちゃおれんぞな…ハイハイ、理屈はもうええから、はよ見てきなはれ。

 「はよ見てくる」前に、まず読み方は「のびどめようすい」、って、そのまんまですな。時に1655年というから江戸時代の初期、老中・松平伊豆守信綱(川越藩主)により、野火止台地(現在の埼玉県新座市付近)の生活・農業用水として、玉川上水から分水して開削されたのが「野火止用水」じゃ。玉川上水からの取水口は現在の小平監視所(立川市幸町)で、小平市・東大和市・東村山市・清瀬市・東久留米市の市境に沿い、新座市を縦断して、志木市で新河岸川に注ぐまで、全長はなんと25kmも。現在では人々の生活や田畑を潤してきた役割は終え、一帯は都指定の歴史環境保全地域として、今度は人々の「心」を潤すことに。いやぁ、そのいにしえに思いを馳せれば、また何をか…でんな。そうそう、今なお清流がサラサラと…。もっとも、その正体は、都の「清流復活事業」による下水の高度処理水。そんな時代になった、てなワケですな、いやはや…。
 さて、今回の「はよ見てきた」用水路沿いのヨ〜タヨタ徘徊は、西武拝島線東大和駅から新座市新堀までの約10km部分。3歩前進2歩後退主義の爺やには、ま、それなりの距離。ここはいつもの通り、の〜んびりと。

■青梅橋(東大和市駅)〜九道の辻(八坂駅)

 野火止用水は西武線沿いゆえ、降り立った東大和駅前では、さっそく清流復活のせせらぎが拝観できると思いきや、ありゃ、緑道が延々。ふ〜っ、暗渠化されていたとは。駅東の青梅街道交差点には、かつて用水路に架かっていた「青梅橋」の名が残っているというのに。一抹の不安を抱きつつ、とにかく緑道をヨ〜タヨタ。
 と、ものの5分ほどで、緑が生い茂るせせらぎ沿いに。や〜れやれ、少々人工臭いけど、ま、いいか。おっ、流れには網で仕切られた所も。何でも近くの小学生がホタルを育てているとか。そうか〜。

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 おおっ、まさに秋〜。ヒガンバナ(彼岸花。別名:マンジュシャゲ〔曼殊沙華〕。ヒガンバナ科ヒガンバナ属)が咲き乱れているではないか。1つの花のように見えるが、実は5〜6個の花のかたまり。咲き始めや枯れた時にはよくワカリマスね。改めてじっくり見ると、色といい、リボン状の花びらといい、長い雄しべや雌しべといい、まさに芸術作品じゃな。原産は中国だが、はるか昔に持ち込まれた「史前帰化植物」だそうな。ふ〜ん。

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 こちらは、紫紅色の妖しい斑点が特徴のホトトギス(杜鵑。別名:ユテンソウ〔油点草〕。ユリ科ホトトギス属)。これは花壇に植えられていたので、一般に見かけるタイワンホトトギス(台湾杜鵑)という種かな。

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 やがて、クヌギやコナラなどが生い茂る雑木林・野火止緑地に。入口には「清流の復活」と刻まれた巨石がデ〜ン。けど、そんな記念パチリより、この風景の方なら何枚でも、って感じだね。いやぁ、昔の面影が残り、いい雰囲気だなぁ。用水路沿いの遊歩道が「土」ってのもいいねぇ。じっくりとその感触を楽しんでしまったぞな。

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 が、小川西町の都営住宅前に出ると、車道沿いに。ま、歩道兼用の散策路もあり、用水路もまぁまぁ自然な景観が残されているので、「許す〜」。もっとも、明治学院東村山高校前に来ると、突然、暗渠に。何でやね〜ん!

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 高校を過ぎると、再び流れは地上に。もっとも両岸には樹木が見上げるばかりに生い茂り、せせらぎは枝葉の間からチラッ。と、散策路は、なんと怪しい路地裏の道に! ヒッヒッヒ、気持が高ぶるのはナゼじゃ。 

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 路地裏を抜け出したところは、用水路に架かる西武国分寺線の鉄橋。何ともミニで可愛いねぇ。手前に「草門去来荘」なる看板を掲げた古いお屋敷が。何でも全国に飲食店などを展開するグループが経営する高級野膳懐石料理屋だそうな。ま、しがない年金生活者には無縁だけど。

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■九道の辻〜界橋(所沢街道交差)

 鉄橋を過ぎると、着いたところは西武多摩湖線八坂駅手前の「ややこし〜い」交差点。見渡せば、道が1本、2本、3本…何叉路やねん! と、信号には「九道の辻」なる文字。何でもその昔は、江戸道、引股道、宮寺道、秩父道、御窪道、清戸道、奥州街道、大山街道、鎌倉街道の計9本の道が交差していたという、ホントに九叉路だったとか。
 現在も府中街道など7本の道が交差。で、どんな具合かというと、茂みにかくれていた案内板をパチリ。これによると、現在地から向こう側の野火止用水目指して赤色の矢印通りに進むと、信号待ちの横断歩道を渡るのは、1回、2回…何と4回も! 何やねん、この交差点は! クド〜(九道)ならぬ「クソ〜の辻」じゃん! トホホホ…。

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 クソ〜の辻でのつまづきにもめげず、八坂駅のガードをくぐり、西武多摩湖線と並行する多摩湖自転車道と交差した先からは、またまた暗渠に。地上部は車道沿いなので実質的には歩道だが、両側には並木が繁り、言うなれば「野火止用水緑道」じゃな。ま、「それなりに」快適な道ではあったけど、商店街が近いせいか生活臭がプンプン…。

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 西武新宿線は久米川駅東側の踏切を過ぎ、新青梅街道を越えたところで、緑道は終わり、やっと流れが地上に。ただし、用水路沿いの車道は狭いため、歩道はなし。一方で、肝心の用水路は樹林に囲まれ、薄暗〜っ。
 とはいえ、樹林が開けたところも一部に。久々にせせらぎをのぞくと、なん鯉がウジャウジャ。と、脇には「ドロボーはやめなさ〜い!」「1日中監視」との立て札。ということは、この時、爺やの様子も誰かがじ〜っと?

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 さ〜て、ここでまたまた、付近で発見した花なんぞを少々。まずは、今が盛りのミズヒキ(水引。別名:ミズヒキソウ〔水引草〕。タデ科タデ属)を。開花しているヤツを捜したけど、これがなかなか。仕方なく、まだつぼみのヤツを。ま、これはこれで素敵じゃん。

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 サルビアの仲間であることが一目瞭然のアメジストセージ(別名:メキシカンブッシュセージ、サルビアレウカンサ。シソ科サルビア属)を発見。もちろん、園芸モノで誰かが植えたヤツだろうけど。とまれ、好きだなぁ、この花びらの柔らかい毛のような肌触りは。ついつい何度もナ〜デナデ。

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 時期が時期だけに、違うかとも思ったが、花や葉っぱの姿形から、チンシバイ(珍珠梅、珍至梅、珍朱梅。別名:ニワナナカマド〔庭七竈〕。バラ科ホザキナナカマド〔ソルバリア〕属)だと思うけど…。図鑑に示されている開花時期なんて、最近は結構ズレてるもんね〜。ちなみに、コイツは紅葉しないそうな。

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 やがて用水路沿いに小さな稲荷公園が。やれ一休みと園内に足を踏み入れると、「森の館」なる洒落た建物が。名前に誘われて入ってみると…トイレでした。で、気持よ〜く…。そうそう、隣の恩多野火止水車苑には水車も。

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 その少し先で、用水路に架かる古風なレンガ造りの橋を発見。欄干が鉄柵で補強されているところを見ると、結構古いかも。やっぱりレンガってのは重厚だねぇ。野火止用水がすごく「偉〜い水路」に思えてきたぞな。

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 万年橋を過ぎたところで、無人野菜販売ロッカーが。ナニナニ、豊水の梨が「おまけつき」で500円とな? 何じゃオマケってのは、と覗くと、ビニール袋に3つ、ほかに1つ。要するに4つ500円。う〜ん。

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■界橋〜西武池袋線踏切(新座市新堀)

 相変わらず車道沿いの野火止用水だが、新所沢街道とのT字路から所沢街道と交差する界橋、そして下里団地沿いの「野火止通り」は、道幅も広いバス通りで、車の往来がガンガン。なら歩道を歩けばいいものの、用水路の反対側ゆえ、用水側の「道もどき」をムリムリ。ま、これは、川沿い徘徊オタクの「こだわり」ですな。

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 この「道もどき」では、オオブタクサ(大豚草。別名:クワモドキ〔桑擬き〕。キク科ブタクサ属)をパチリ。ま、どこでも見かける帰化植物の「嫌われ者」雑草ゆえ、これもムリムリかな。

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 一方、こちらは同じ雑草とはいえ、梅干しとのセットで食用にもなる、葉っぱも花も赤紫色のご存知アカジソ(赤紫蘇。シソ科シソ属)。いかにもシソ科らしい唇状の花びらは、なかなか可憐じゃん。やっと、野草らしい野草に出会えたのう、ホ〜ホッホッホ。

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 押出し橋なる不思議な名前の三叉路で都道15号線と合流。さらに幅広の大通り沿いとなるが、用水路は繁っていた両岸の樹木が消え失せ、いわゆる「都市公園のせせらぎ」に変貌。味もそっけもない姿に。

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 それでも小金井街道を越えた新座市域からは、管轄が埼玉県となったせいか、雰囲気がまたまた変貌。両岸には草が繁り、あるいはヒガンバナも植栽され、それなりに都会的なセンスある用水路に。ただ、流れは「単なる溝」、しかも用水路沿いの遊歩道は、人がすれちがうのがやっとという細さ。う〜ん、評価はムズカシイねぇ。

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 さぁ、用水路沿いの徘徊も、予定の終着点・西武池袋線の踏切に。この先、新座市内を進めば、昔ながらの面影を今なお残す古刹・平林寺沿いをたどるが、ま、ここは無理せず予定りに。で、帰路は清瀬駅から。
 気がつけば、あたりは暮色蒼然。秋分の日も過ぎると、まさに秋の日は釣瓶落としじゃな。ボロ家に戻るや、今回の徘徊を思い出しつつ、改めて野火止用水についてネットでお勉強。何でも、玉川兄弟とともに玉川上水を完成させた安松金右衛門の下、全長25kmを2月から3月にかけての寒い時期に、わずか40日間で開削したとか。そういえば、野火止緑地の中央・野火止橋のたもとには、力強く鍬を振り上げている用水工夫の像が立っていたっけ。昔の建物もさることながら、こういう昔の土木工事の遺跡、それも現代でもなお清らかな水が流れる用水路を徘徊するにつけ、当時のとりわけ庶民の暮らしに、つい思いが…。やがて何十億年か先には、地球はおろか宇宙は滅亡するというのにねぇ…。とっと、何やねん、そのハナシの飛びようは!



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